2015/04/05
赤ちゃんの任意接種は定期接種とは違い、人によっては避けられがちな予防接種かもしれません。その費用にビックリして躊躇するケースが多いようですが…
中には「ちょっと考えさせて」が効かないワクチンも存在します。今回は任意接種の必要性と期限についてのお話です。
この記事の目次
ばかにならない任意接種の費用
赤ちゃんの予防接種の中で定期接種よりも優遇されていないイメージがある任意接種。その理由は明らかで…
- 助成がある自治体が少なくほとんどが100%自費
※自治体によっては助成があります。念のためお住まいの地域で調べてみましょう。 - 国保や健保の適用範囲外
そして、気になる任意接種の費用ですが…3000円~15000円と目を疑うような額のものもあります。しかもこれは1回当たりの費用、必要回数分となると…
- インフルエンザ…3000円(1回目)、2000円(2回目)
※子供は毎年2回の接種が必要 - B型肝炎…6000円(×3回)
- おたふくかぜ…6000円(×2回)
- ロタウイルス…10000円(×3回)or 15000円(×2回)
※上記費用はすべて目安です。地方や病院によって前後する場合アリ。
特に必要性の高い任意接種はどれ?
高価&自費となると厳しい方もいると思います。任意接種の対象になる病気はどれも「赤ちゃんが発症」すると重症化する可能性があるため、出来ればすべて受けておきたいところですが…個人的に優先するとすればインフルエンザとおたふくかぜでしょうか。
それぞれの特徴を挙げてみます。
インフルエンザ
大人が発症しても重症化する可能性があるため、体力のない赤ちゃんが発症するとさらに厳しくなることも。ぜひ受けておきたい任意接種。
おたふくかぜ
赤ちゃんが発症すると重症化に加え「難聴の後遺症」をわずらう可能性のある病気です。ぜひ受けておきたい任意接種。
B型肝炎
血液を介して感染し、慢性化するとまれに肝硬変や肝臓がんなど重度な症状に進展する可能性をもつ。現在は母子感染予防対策があるため出産時の感染はほぼ防げるようですが、引っかき時の出血や保育所等での事故時にごくまれに感染するケースもあるようです。
ロタウイルス
下痢や嘔吐を伴う胃腸炎を引き起こします。多くは脱水症状→点滴入院を経て1週間ほどで回復しますが重症化すると腎不全や脳炎などを合併することも。ママからもらった免疫で生後3ヵ月頃までは発症しても重症化することは少ないです。
が、「ママからもらった免疫が切れた後に最初の発症」があった場合は症状が重症化しやすいようです。なんと5歳までにはほとんどの小児が経験するという感染力の強さで、保育所などでも集団感染するケースがあります。生後3ヵ月~2歳までの発症が多くピークは1歳前後。
接種期限がごく短いワクチン
どれも万が一のケースが危険なものばかり。ただ、出産を終えたばかりの時期は費用の捻出も難しい…と、じっくりと検討したいところですが、そうもいかないんです。
上であげた4種類のワクチンのうち、ロタウイルスは生後104日までに1回目の接種を済ませないと間に合わない場合があるのです。
※ロタウイルスのワクチンは2種類ありますが、どちらも接種開始が遅くなるほど副作用が起こりやすくなるようです。
他のワクチンはまだ余裕があるため、任意接種で立ち止まってしまった場合は、まず初めにロタウイルスのワクチンだけを検討してみるといいと思います。
ロタウイルスはほとんどの子供が感染するといわれていますが、現在のところ発症した場合の薬が無いようです。そのためワクチンを接種することで重症化を予防するのが唯一の対策みたいですね。
ロタウイルスワクチンは、ロタウイルスによる感染を防いだり、軽くしたりして、点滴や入院が必要になる重症例を約90%減らします。結果として、脳炎などの重い合併症も防ぎます。予防効果は少なくとも3年間は持続することが海外の臨床試験で確認されています。
参考:よしだクリニック
任意接種は無料化する可能性大
なんとアメリカではインフルエンザ以外が定期接種として無料で受けられるという…
日本でも定期接種の枠が広がり、2014年10月~は水痘ワクチンが定期接種化されていたりと、乳幼児の健康が強く見直されているようです。今後出産予定のすべてのママさんのためにも、この無料化の勢いを続けてほしいものですね。